創刊50周年記念国際行事

季刊『創作と批評』の創刊50周年を迎えて、創批は6月に多様な国際行事を開催しました。まず「東アジアの批判的雑誌会議」は『創作と批評』創刊40周年記念国際会議「東アジアの連帯と雑誌の役割」(2006)を受け継いだもので、韓国、中国、日本、台湾、シンガポールなど東アジア地域の批判的雑誌の編集者たちが平和と共生の東アジア共同体のための実践的ネットワーク構築に寄与しようと、隔年で開催しているシンポジウムです。

2013年の沖縄、2015年の香港を経て創批50周年を迎えて、今年はソウルで開催された今回の会議(6.20~21)の主題は「東アジアで「大転換」を問う」で、「資本主義以後」を苦悶する問題意識を盛り込んでいます。大混乱(grand chaos)か、それとも大転換(grand transformation)かとの岐路に立たされた今日の危機状況で大転換の可能性を模索しようと、多様な発表と討議がなされました。

今回のシンポジウムには中国と台湾、シンガポールなど中国語圈の7個誌、日本語圈の2個誌、韓国の3個誌など12個の雑誌が参与し、総14人の編集者および学者たちが発題と討論に乗り出しました。人文学・社会科学の領域でアジア全体を合わせる最初の国際誌『インターアジア文化研究』(Inter-Asia Cultural Studies)の陈光兴、中国の人文社会科学界を先導する『開放時代』の吴重庆、日本の代表的な思想誌『現代思想』の若い編集者である押川淳、沖縄の独自性を主唱しながら米軍基地反対などの社会運動に邁進してきた『ケーシ風』の若林千代などと共に、国内にもよく知られた中国文学/思想研究者である孫歌など、著名な学者たちが参加しました。

そして、創批50周年記念行事の一環として世界的な碩学であるデヴィッド・ハーヴェイ(David Harvey、ニューヨーク市立大学地理学・人類学)の招請行事も設けました。6月21日の公開講演は「実現の危機と日常生活の変貌」(Realization Crises and the Transformation of Daily Life)という主題で、ソウルプレスセンター講演場をぎっしり埋めた聴衆の前で行われました。82歳の高齢にも関わらず、相変わらず自分の「向後のプロジェクト」を提示するハーヴェイは、11年ぶりの訪韓を通じて「資本主義の危機が果たしてどこから始まって、これを克服するための日常の政治はどこから可能なのか」を聞かせてくれました。そして、6月22日にはハーヴェイの著書『反乱の都市』(Rebel cities)を中心にワークショップを開催しました。人権と環境など多様な分野の活動家および専門家20名余りが集まったこのワークショップでは、都市開発によるいろんな問題とそれによる抵抗に対して深度の深い討論が交されました。最後に6月23日には本誌の白樂晴(ベク・ナクチョン)名誉編集者と対談を行いました。「資本は如何に作動し、世界と中国はどこへ行くか」という主題で成されたこの対談は、季刊『創作と批評』2016年秋号に収録されました。

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『創作と批評』が創刊50周年を迎え記念号出刊

 

この度、季刊『創作と批評』が創刊50周年を迎え記念号(通巻171号)として出刊されることになりました。この記念号は発行人及び編集人はもちろん、編集主幹をはじめ編集委員らを新しく人選し、構成やデザインなどを革新し初公開したものであります。日本語版はこのホームページを通して5月中も掲載する予定であります。新しい50年を迎える創批に、多くの関心と応援をお願い致します。ありがとうございます。

白楽晴 教授<韓國民主化2.0>(日本語版)出版

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白楽晴 | 『韓國民主化2.0』(岩波書店 2012.6)


*本紙の編集人である白楽晴教授の本が日本語で翻訳されて出版しました。出版社からのメッセジを紹介してあげます。

2012年は世界各国の「変化の年」.韓国でも政権交代を賭けた大統領選挙が行われる.民主化の面でも,南北関係の面でも,後退と混迷が目立った李明博政権だが,これを以前の民主政権に戻すだけでは足りない,と筆者は言う.より質の高い民主主義とより深い包容政策を目指さなければならない.南北の民間交流を進める現代韓国最高の知性が呼びかける「次なる韓国社会」の構想とは?  


 (リンク)

6・15南北共同宣言と2013年体制

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白楽晴(『創作と批評』編集人、韓半島平和フォーラム共同理事長)

*本稿は金大中平和センタ·韓半島平和フォ-ラム·ソウル市が共同主催した6·15共同宣言12周年式での特別講演を飜譯したものである。

本日私たちは6・15共同宣言12周年を記念するために集まりました。歴史的な事件の記念式ですが、多くの方々が複雑な思いでいることでしょう。6・15共同宣言の署名者で、金大中平和センターの創立者であった金大中元大統領がおられない状態で催す三度目の記念行事である上に、元大統領が最後に出席された9周年行事の時も祝祭の雰囲気とは程遠いものだったと記憶しています。
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[新年コラム] 「金正日以後」と2013年体制

 

baeknakchung

 

白楽晴  /『創作と批評』編集人、ソウル大学名誉教授
* 韓国語原文は創批で読めます。(原文)

 

 

金正日国防委員長の突然の他界は、韓(朝鮮)半島全体にとっても大事件である。普段は韓半島に関心がうすい西側メディアも、これを大々的に報道して「金正日以後」がどのように展開されるのか、多数の論評があふれ出た。後続の金正恩時代がどういう様相になるのか、誰もが気になるようだ。

ところで、こういう懸念もある。北の指導者交代と南における2013年体制のうち、どちらがより大きな変数になるのか。北の同胞にとっては領導者の急逝が当然最大の事件だろう。しかし、韓半島全体の長期的展望では2013年体制の成否、つまり1987年6月抗争で韓国社会が大きく変わったように、次の政権がスタートする2013年をそれに劣らぬ新たな転換点となしうるのか否か、がより重要かもしれない(“2013年体制”に関しては、『実践文学』2011年夏号に収録された拙稿「“2013年体制”を準備しよう」を参照)。
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《創批》と日本知識人の対話 ’再び東アジアを語る’

季刊 《創作と批評》の編集委員会は2月25日日本九州の熊本学園大学にて現地の知識人達と共に討論会’再び東アジアを語る:日韓対話と創批の役割’を開催しました。


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第一部では《創批と批評》151号での特集’再び東アジアを語る’に対する評価を、第2部では2006年からオンラインで発行してきた日本語版に対する点検とこれからの課題について論じました。 

この会議には木宮正史教授(東京大学)、李静和教授(成蹊大学)、申明直教授(熊本学園大学)、西正之記者(朝日新聞)をはじめとする現地知識人達とペク・ナクチョン(白樂晴)、ヨム・厶ウン(廉武雄)、イム・ヒョンテク(林熒澤)らの《創批と批評》の編集委員達との間で熱い討論が繰り広げられました。

参加者達は《創批》の東アジア談論が日・韓・中及び東アジアの知識人社会に及ばせる影響について強調し、日本語版の<創批>がこれからの地域内交流と連帯に幅広く寄与できるであろうと期待しました。

[新年コラム] 2010年の試練を踏まえ、常識と教養の回復を

白楽晴
白楽晴  /『創作と批評』編集人、ソウル大学名誉教授

* 韓国語原文は創批で読めますhttp://weekly.changbi.com/504

韓国社会にとって2010年は、とりわけ試練に満ちた年だったと感じられる。去る11月23日に朝鮮半島の西海で勃発した延坪(ヨンピョン)島砲撃事件から1カ月余りの間、悲しみ、憤怒し、不安を感じることが続いたために、特にそう思うのかもしれない。

延坪島事件自体、その理由と経緯はどうあれ、南の領土に対する北の意図的な砲撃であり、衝撃と憤怒を抱かせるものだった。さらに、南の初期対応が余りにもお粗末なことに不安を感じ、後ればせに「全面戦も辞さない」と叫んで危機を煽るやり方はむしろ不安をつのらせ、憤怒までかきたてた。

ところで、12月8日には国会で与党ハンナラ党の議員が安保危機の隙に乗じて予算案などの強行採決を敢行した。三権分立と法治主義が完全に踏みにじられ、民主主義の危機という言葉をあらためて実感させられた。強行採決の最大の動機は、四大河川事業といわゆる「親水区域法」 「四大河川事業」とは、李明博政権が2008年下半期から韓国内の四つの主要河川で洪水予防と水不足の解消、水質の改善を目的として推進中の大型土木事業である。生態系の破壊を憂慮する地方自治体と野党勢力、学界、環境団体、宗教界などの国民的な反対運動[反対の理由には、この憂慮に加えて政府が掲げる目標の達成は不可能との判断も含まれる]にもかかわらず、工事を強行している。
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